しかしながら、憲法の立場で考えますれば、公共の福祉と基本権というものは、まつこうからぶつかる性質のものではないのでありまして、むしろ従来個人の利益というものに対して、国家が無条件的に絶対的に優越するという、わが国の、ことに戦時中非常に鼓吹せられた全体主義的な考え方に対する批判として、この基本人権思想が出たのでございますし、そして戦時中からの例の公序良俗観念、安寧秩序観念というものに対して、パブリツク・ウエルフエアー
沼田稲次郎
この憲法の一つの表現と申しますか、解釈の上の有力な材料として、私ども英文で書かれた憲法を見ますと、パブリツク・ウエルフエアと書かれておりますが、パブリツク・ウエルフエアというこの言葉を日本語で現わします場合に、公共の福祉という言葉で現わすことが果して妥当なりや否やということは問題だと思います。ハプリツクというのは、私が言うまでもございませんけれども、ラテン語のボピユルスから出ております。
吉田法晴
その根底にはパブリツク・ウエルフエアというものがある。こういうふうなお話でありまして、これはたいへん御同感であるのであります。こういう根本の動向に対しまして、この法案の規定いたしておりますところの政策委員会なるものの合目的性というものは必ずしも十分ではない。
風早八十二
○中山(伊)公述人 ただいまの問題は、私どもたとえば労働問題を処理する場合において常に経驗しておる事実でございますが、ただいままでの経驗からいたしますと、労働者の利害関係者の代表を一対一というような形で盛ることが必ずしも結果においてパブリツク・ウエルフエアーを代表するということにならないと思うのであります。
中山伊知郎
労働組合の代表であるとか、あるいはまたその他の民主的な市民の團体の代表でありますとか、およそこのパブリツク・ウエルフエアを根本には代表し、またそのいろいろな階級的にも相異つた各層の意見というものが、究極におきましてはパブリツク・ウエルフエアの中で漸次その重さをかえて來ておるわけでありますけれども、その比重に從いまして、いかに有効にこのパブリツク・ウエルフエアを代表するかという意味で、いろいろな代表の
風早八十二